ツィンギー・ド・ベマラハ厳正自然保護区とは
ツィンギー・ド・ベマラハ厳正自然保護区は、マダガスカル西部に位置する自然保護区で、1990年に世界自然遺産に登録されました。「ツィンギー」とはマダガスカル語で「裸足で歩けない場所」を意味し、その名の通り、浸食によって形成された鋭い石灰岩の尖塔が林立する独特のカルスト地形が広がっています。この特異な環境が、多種多様な固有種の生息地となっています。
世界遺産登録基準
- (vii) 巨大な石灰岩の高原が浸食されてできた「ツィンギー」と呼ばれる針山のような景観は、他に類を見ない壮大で美しい自然現象です。
- (x) キツネザルをはじめとする多くの固有種や、絶滅危惧種の動植物が生息する、生物多様性の保全上非常に重要な地域です。
遺産の価値
この保護区の価値は、その特異な地形と、それによって育まれた豊かな生態系にあります。
- 地質学的価値:数百万年の歳月をかけて雨水に浸食された石灰岩が、まるで石の森のような奇観を創り出しています。地下には洞窟や川が広がる複雑な地形です。
- 生物多様性:孤立した厳しい環境に適応した、多くの固有種が生息しています。11種のキツネザル、約100種の鳥類、そして多くの爬虫類や両生類が確認されています。