タルノフスキェ・グリの鉛・銀・亜鉛鉱山とその地下水管理システムの写真

タルノフスキェ・グリの鉛・銀・亜鉛鉱山とその地下水管理システム

タルノフスキェ・グリの鉱山と地下水管理システムとは

ポーランド南部のシレジア地方にある、鉛・銀・亜鉛の採掘が行われた歴史的な鉱山跡です。16世紀から20世紀初頭にかけて稼働し、特にヨーロッパ最大級の規模を誇った地下水管理システムで知られています。鉱山から湧き出る地下水を排出し、飲料水や工業用水として利用するために構築された、広範囲にわたる坑道や水路、ポンプ施設などが良好な状態で保存されています。

世界遺産登録の概要

2017年に「タルノフスキェ・グリの鉛・銀・亜鉛鉱山とその地下水管理システム」として世界文化遺産に登録されました。

  • 登録基準(i):人類の創造的才能を表す傑作である点。地下水管理システムは、300年以上にわたり絶えず改良が続けられた水理学技術の傑作と評価されています。
  • 登録基準(ii):文化的な価値観の交流を示す点。ヨーロッパの主要な鉱業地域からの技術や知識が集結し、特に蒸気機関を用いた排水技術の普及に貢献しました。
  • 登録基準(iv):特定の建築様式や技術の優れた見本である点。鉱業における地下水問題の克服と、水資源の有効活用を示すすべての要素が完全に残されています。

遺産の価値と特徴

この遺産の最大の価値は、産業革命期における鉱山技術の革新を物語る、精巧で大規模な地下水管理システムそのものにあります。特に18世紀末に導入された蒸気式排水ポンプは、ヨーロッパ大陸における最初期の稼働例の一つであり、鉱山の生産性を飛躍的に向上させました。地下に張り巡らされた排水用の坑道(アドケ)は、現在もこの地域の給水システムの一部として機能しており、過去の産業遺産が現代に生き続けている稀有な例です。観光客は、坑道の一部をボートで巡ることもできます。

主な構成資産

世界遺産は、鉱山関連の28の要素で構成されています。

構成資産名 特徴
歴史的銀鉱山 典型的な18世紀から19世紀の鉱山の地下構造を見学できる。
黒いマスの坑道 (Black Trout Adit) 19世紀に掘られた排水用坑道の一部。ボートツアーで知られる。
蒸気機関の水揚所跡 18世紀に設置された、ポーランド初の蒸気機関の跡地。

参考文献

「Tarnowskie Góry Lead-Silver-Zinc Mine and its Underground Water Management System」UNESCO. https://whc.unesco.org/ja/list/1539

タルノフスキェ・グリの鉛・銀・亜鉛鉱山とその地下水管理システムの基本情報

                         
国名 ポーランド共和国
世界遺産の名称 タルノフスキェ・グリの鉛・銀・亜鉛鉱山とその地下水管理システム
遺産の種類 文化遺産
登録年 2017
拡張・範囲変更
危機遺産
危機遺産登録期間
登録基準 (ⅰ)(ⅱ)(ⅳ)
備考
範囲(ヘクタール)1672.76
地図

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