概要
「マルボルクのドイツ騎士修道会の城」は、ポーランド北部の都市マルボルクにある、世界最大の煉瓦造の城です。13世紀にドイツ騎士団によって建設が始まり、騎士団の本拠地として拡張が続けられました。その壮大なゴシック様式の城郭は、中世ヨーロッパの城塞建築の頂点を示すものとして、1997年に世界文化遺産に登録されました。
遺産の価値
この城の価値は、その圧倒的な規模と、中世の要塞技術およびゴシック建築の粋を集めた点にあります。高城、中城、低城の3つの部分から構成され、礼拝堂、食堂、騎士団長の宮殿などが機能的に配置されています。また、第二次世界大戦で大きな被害を受けましたが、その後の綿密な調査に基づく修復作業は、遺産保存の分野で高く評価されています。この城は、かつてヨーロッパの広大な地域を支配したドイツ騎士団の権力と歴史を象徴する、他に類を見ない記念碑です。
登録基準
この世界遺産は、以下の登録基準を満たして登録されました。
- (ii) ある期間を通じてまたはある文化圏において、建築、技術、記念碑的芸術、都市計画、景観デザインの発展に関し、人類の価値の重要な交流を示すもの。
- (iii) 現存するまたは消滅した文化的伝統または文明の、唯一のまたは少なくとも稀な証拠。
- (iv) ある歴史上の時代を例証する建築様式、建築物群、技術の集積または景観の優れた例。