フランドル地方のベギン会とは
フランドル地方のベギン会(ベギナージュ)は、12世紀以降、北西ヨーロッパで発展した、独身または寡婦の女性たちが信仰共同生活を送るために形成した施設群です。彼女たちは修道女のように誓願を立てることなく、俗世の中で敬虔な生活を送りました。ベルギーのフランドル地方に残る13のベギン会は、壁に囲まれた敷地内に教会、住居、庭園などが計画的に配置されており、中世の独特な社会・文化現象を伝えるものとして1998年に世界文化遺産に登録されました。
世界遺産登録基準
- (ii) 宗教的伝統とフランドル地方の文化的・都市的特徴が融合した、他に類を見ない都市計画と建築様式を示している。
- (iii) 中世北西ヨーロッパにおける、女性たちの宗教的伝統と独立した生活様式を伝える、現存する唯一の優れた証拠である。
- (iv) 伝統的なフランドル様式の建築と都市計画の顕著な見本であり、居住空間と宗教的空間が調和した独特の景観を形成している。
代表的なベギン会
登録されている13のベギン会の中でも、特に以下のものは保存状態が良く、多くの観光客が訪れます。
| ベギン会名 | 特徴 |
|---|---|
| ブルージュのベギン会 | 「愛の湖」のほとりに位置し、白い壁の家々が並ぶ静謐な雰囲気が特徴。現在もベネディクト会の修道院として使用されている。 |
| ヘントの聖エリザベート・ベギン会 | 広大な敷地を持ち、一つの小さな町のような景観を呈している。 |
| ルーヴェンの大ベギン会 | 大学の敷地内にあり、学生や教職員の住居として利用されている。保存状態が非常に良い。 |