ボルドー、月の港とは
「ボルドー、月の港」は、フランス南西部の都市ボルドーの歴史地区を指し、2007年にユネスコの世界文化遺産に登録されました。ガロンヌ川が三日月(月)のように大きく湾曲する河港を中心に発展したことからこの名で呼ばれます。特に18世紀の啓蒙思想を反映した、統一感のある壮麗な都市計画と古典主義建築群が特徴です。
世界遺産登録基準
- 登録基準(ii): 18世紀のボルドーは、ヨーロッパと新世界を結ぶワインなどの交易拠点として繁栄し、その過程で形成された都市計画と建築群は文化交流の顕著な例と評価されています。
- 登録基準(iv): 2000年以上にわたる都市の進化を示す傑出した例であり、特に18世紀に完成した都市景観は、古典主義・新古典主義建築のひとつの頂点を示しています。
遺産の価値
建築美
この地域には、18世紀のフランス古典主義建築を代表する建造物が多く残されています。ブルス広場をはじめとする公共建築や邸宅群は、当時の卓越した建築技術と洗練された美学を反映しています。
文化的影響
ボルドーは、ワイン交易を通じて文化と富が集積する国際都市でした。その繁栄が、優れた都市計画と数多くの歴史的建造物を生み出す原動力となりました。
概要と主要な名所
フランス南西部のガロンヌ川沿いに位置するボルドーは、18世紀にワイン貿易の拠点として黄金時代を迎えました。当時の都市計画によって整備された美しい街並みは、現在も大切に保存されています。
| 名所 | 特徴 |
|---|---|
| ブルス広場(水鏡) | ガロンヌ川に面した壮麗な広場。「水鏡(ミロワール・ドー)」が有名。 |
| ボルドー大劇場 | 18世紀の新古典主義建築の傑作。コリント式の柱が並ぶファサードが美しい。 |
| サン・ミッシェル大聖堂 | 高さ114mの独立した鐘楼を持つフランボワイヤン・ゴシック様式の教会。 |
「ボルドー、月の港」は、ワイン交易がもたらした繁栄を背景に、啓蒙時代の理想を体現した都市計画の傑作です。その統一感のある壮麗な景観は、歴史都市の保存と再生の優れたモデルとして、今なお輝きを放っています。