ゴイアスの歴史地区とは
ゴイアスの歴史地区は、ブラジル中西部のゴイアス州に位置する、18世紀のゴールドラッシュ時代に築かれた植民地都市です。かつては州都として栄え、ブラジル内陸部の開拓と定住の歴史を物語っています。他の金鉱都市とは異なり、華美な装飾は控えめで、日干しレンガなど現地の素材と伝統的な工法を用いて建てられた、素朴で調和のとれた街並みが特徴です。2001年にユネスコの世界文化遺産に登録されました。
遺産の価値
ゴイアスの価値は、ブラジル内陸部の植民地都市の姿を、その建築様式から都市計画に至るまで、ほぼ完全な形で保存している点にあります。
- 調和のとれた建築様式: ヨーロッパの様式を取り入れつつも、現地の気候や素材に適応した独自の建築文化が育まれました。質素ながらも調和のとれた建物が、美しい街並みを形成しています。
- 生きた歴史: 18世紀から19世紀にかけての金鉱町の雰囲気を色濃く残しており、街を歩くだけで、ブラジル開拓時代の歴史を感じることができます。
世界遺産登録基準
- 登録基準(ii): ヨーロッパの都市モデルと建築様式を、南米内陸部の気候・文化・地理的制約の中で巧みに適応させた、優れた例であることが評価されました。
- 登録基準(iv): ブラジル内陸部における植民地時代の都市と建築の発展を示す、顕著な例であることが評価されました。
主な見どころ
歴史地区には、バロック様式の教会や博物館など、街の歴史を伝える重要な建造物が点在しています。
見どころ | 特徴 |
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サンタナ大聖堂 | ゴイアスで最も古い教区教会の一つで、シンプルな外観と美しい内部装飾が特徴です。 |
ロザリオ教会 | 奴隷によって建てられたとされる歴史を持つ教会です。 |
バンデアス博物館 | かつての州議事堂と刑務所を利用した博物館で、ゴイアスの歴史を学ぶことができます。 |
参考文献: UNESCO World Heritage Centre. “Historic Centre of the Town of Goiás”. https://whc.unesco.org/en/list/993