シュンドルボン
バングラデシュとインドにまたがる、世界最大級の連続したマングローブ林です。ガンジス川、ブラマプトラ川、メグナ川がベンガル湾に注ぐデルタ地帯に形成されており、そのうちバングラデシュ領内が1997年に世界自然遺産に登録されました。「シュンドルボン」はベンガル語で「美しい森」を意味します。無数の川や水路が網の目のように広がる、複雑でダイナミックな生態系が特徴です。
世界遺産としての価値
シュンドルボンは、潮汐の影響を強く受ける環境で進行中の生態学的プロセスを示す顕著な見本です。マングローブ林の形成やデルタ地帯の進化など、独特の自然現象が見られます。また、絶滅の危機に瀕するベンガルトラをはじめ、非常に多くの動植物が生息する生物多様性の宝庫であり、その保全における重要性が高く評価されています。
- 登録基準(ix):陸上、淡水、沿岸および海洋生態系と動植物群集の進化と発達において、進行中の重要な生態学的・生物学的プロセスを代表する顕著な見本であるもの。
- 登録基準(x):生物多様性の本来的保全にとって、もっとも重要かつ意義深い自然生息地を含んでいるもの。
豊かな生態系
この特異な環境は、多様な生物の生息地となっています。
| 生物群 | 特徴 |
|---|---|
| ベンガルトラ | マングローブ林の環境に適応した、この地域の生態系の頂点に立つ捕食者。 |
| マングローブ植物 | ヒルギ科をはじめとする多様な種類のマングローブが密林を形成している。 |
| 水生生物 | イリエワニ、ガンジスカワイルカ、メカジキなど、多様な水生生物が生息する。 |
| 鳥類 | シロハラウミワシやカワセミ類など、200種以上の鳥類が確認されている。 |