アーヘン大聖堂とは
アーヘン大聖堂は、1978年に世界で最初に登録された12件の世界遺産の一つであり、ドイツ国内では第1号の世界遺産です。「ヨーロッパの父」と称されるフランク王国のカール大帝が、帝国の中心地として建設した宮殿の礼拝堂がその起源です。ビザンティン様式とゲルマン様式が融合したカロリング朝建築の最高傑作であり、後世の宗教建築に多大な影響を与えました。
世界遺産登録の理由
この遺産は、以下の登録基準を満たしています。
- 登録基準(i): カロリング・ルネサンスが生んだ、人類の創造的才能を表現する傑作です。
- 登録基準(ii): 古典主義とビザンティン様式を融合させ、中世建築の発展に決定的な影響を与えました。
- 登録基準(iv): 中世初期の宮殿礼拝堂として、建築史上の顕著な見本です。
- 登録基準(vi): カール大帝という歴史上の重要人物に直接関連し、936年から1531年まで約600年間にわたり神聖ローマ皇帝の戴冠式が執り行われた、歴史的に極めて重要な場所です。
主な見どころ
- 宮殿礼拝堂(八角堂): 大聖堂の中心部。イタリアのサン・ヴィターレ聖堂をモデルにした八角形の集中式プランで、上階にはカール大帝が使用したとされる大理石の玉座が置かれています。
- ゴシック様式の聖歌隊席: 後年に増築された部分で、壁面のほとんどがステンドグラスで構成されていることから「アーヘンのガラスの家」と呼ばれています。
- 宝物館: ヨーロッパで最も重要な教会宝物館の一つ。カール大帝ゆかりの品々や、戴冠式で用いられた貴重な工芸品が収蔵されています。
遺産の概要
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 登録名称 | Aachen Cathedral |
| 所在地 | ドイツ連邦共和国 ノルトライン=ヴェストファーレン州 |
| 登録年 | 1978年 |
| 登録基準 | (i), (ii), (iv), (vi) |