ハンザ都市リューベックとは
リューベックは、ドイツ北部のバルト海沿岸に位置する歴史的な都市で、1987年にユネスコの世界文化遺産に登録されました。12世紀に建設され、中世にはハンザ同盟の盟主として「ハンザの女王」と称されるほどの繁栄を誇りました。赤レンガゴシック様式の建築物が立ち並ぶ旧市街は、中世の面影を色濃く残しています。
遺産の価値
この遺産の価値は、中世ヨーロッパの商業都市の構造を非常によく保存しており、特に北ヨーロッパ一帯で発展したレンガゴシック建築の優れた見本である点にあります。
- 歴史的都市構造: 港、商人たちの住居、教会、市庁舎、城門などが一体となった中世の都市構造が、島状の旧市街に凝縮されています。
- レンガゴシック建築: 石材が乏しい地域で発展した赤レンガによるゴシック建築群は、都市の景観を特徴づけており、特に聖マリア教会はその象徴的な存在です。
登録基準
この世界遺産は、以下の基準を満たしたと見なされ、登録に至りました。
- (iv) 人類の歴史上において代表的な段階を示す、建築様式、建築技術または科学技術の総合体、あるいは景観の顕著な見本。
概要
リューベックの旧市街は、トラヴェ川と運河に囲まれた中洲にあり、その防御に適した立地が都市の発展を支えました。ハンザ同盟の中心として、バルト海交易を支配し、その富を背景に壮麗な建築物が次々と建てられました。
| 建造物名 | 特徴 |
|---|---|
| ホルステン門 | 市の入口に建つ重厚な城門で、リューベックの象徴。 |
| 聖マリア教会 | 世界最大級のレンガ造りの教会で、レンガゴシック建築の傑作。 |
| 市庁舎 | ゴシック様式とルネサンス様式が混在する美しいファサードを持つ。 |
参考文献
「ハンザ同盟都市リューベック」. UNESCO World Heritage Centre. https://whc.unesco.org/ja/list/272