トリーアのローマ遺跡、聖ペトロ大聖堂と聖母聖堂の写真

トリーアのローマ遺跡、聖ペトロ大聖堂と聖母聖堂

トリーアのローマ遺跡、聖ペトロ大聖堂と聖母聖堂とは

ドイツ最古の都市トリーアにあるローマ時代の遺跡群と、隣接する二つの大聖堂は、1986年にユネスコの世界文化遺産に登録されました。紀元前16年にローマ帝国の都市として建設されたトリーアは、「第二のローマ」と称されるほど繁栄し、その壮大な建築物はローマ文明と初期キリスト教の歴史を今に伝えています。

遺産の価値

この遺産の価値は、一つの都市にローマ帝国時代の優れた建築物群と、ドイツ最古のキリスト教建築が集中して保存されている点にあります。

  • ローマ建築の傑作: 「ポルタ・ニグラ」をはじめとするローマ時代の建造物は、その規模、技術、保存状態の良さにおいて、アルプス以北で最も重要なローマ遺跡とされています。
  • キリスト教の歴史的中心地: 聖ペトロ大聖堂はコンスタンティヌス帝の時代に起源を持ち、聖母聖堂はドイツ最古のゴシック建築として、キリスト教の発展における重要な役割を果たしてきました。

登録基準

この世界遺産は、以下の基準を満たしたと見なされ、登録に至りました。

  • (i) 人類の創造的才能を表現する傑作。
  • (iii) 現存する、または消滅した文化的伝統や文明の、唯一のまたは少なくとも稀な証拠。
  • (iv) 人類の歴史上において代表的な段階を示す、建築様式、建築技術または科学技術の総合体、あるいは景観の顕著な見本。
  • (vi) 顕著な普遍的意義を有する出来事、現存する伝統、思想、信仰または芸術的、文学的作品と、直接にまたは明白に関連するもの。

主な遺跡

トリーアには、ローマ時代から中世にかけての重要な遺跡が数多く残されています。

遺跡名 特徴
ポルタ・ニグラ 保存状態が極めて良いローマ時代の城門
ローマ浴場 皇帝浴場など3つの壮大な浴場遺跡
円形劇場 約2万人を収容したとされるローマ時代の闘技場
聖ペトロ大聖堂 ローマ時代の宮殿の土台の上に建つドイツ最古の教会
聖母聖堂 ドイツ最古のゴシック様式の教会

参考文献

「トリーアのローマ遺跡群、聖ペテロ大聖堂及び聖母マリア教会」. UNESCO World Heritage Centre. https://whc.unesco.org/ja/list/367

トリーアのローマ遺跡、聖ペトロ大聖堂と聖母聖堂の基本情報

                         
国名 ドイツ連邦共和国
世界遺産の名称 トリーアのローマ遺跡、聖ペトロ大聖堂と聖母聖堂
遺産の種類 文化遺産
登録年 1986
拡張・範囲変更
危機遺産
危機遺産登録期間
登録基準 (ⅰ)(ⅲ)(ⅳ)(ⅵ)
備考
範囲(ヘクタール)7.3
地図

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