WORLD HERITAGE
コア渓谷とシエガ・ベルデの先史時代の岩絵遺跡群
ポルトガルのコア渓谷とスペインのシエガ・ベルデは、河岸の露出岩面に旧石器時代の動物刻画を大量に残します。屋外制作、年代・解釈、ダム計画、越境保全と見学倫理を解説します。

ESSENTIAL FACTS
基本情報と登録基準
- 登録年
- 1998年
- 登録基準
- (1)・(3)
- 種類
- 文化遺産
- 国・地域
- スペイン・ポルトガル
WHY IT MATTERS
この世界遺産について
コア渓谷とシエガ・ベルデの先史時代岩絵遺跡群とは
ポルトガルのコア渓谷とスペインのシエガ・ベルデは、ドウロ川の支流であるコア川とアゲダ川沿いに位置する岩絵遺跡です。コア渓谷が1998年に基準(i)(iii)で登録され、2010年にシエガ・ベルデを加えて拡張されました。二国にまたがる文化遺産です。
洞窟の外に残った旧石器芸術
河川の浸食による岩面に、多数の動物像が数千年にわたって刻まれました。UNESCOの価値説明は、後期旧石器時代からマドレーヌ期末・後旧石器時代に及ぶ紀元前22,000~8,000年という年代幅を示しています。個々の線刻全てに同じ年代が直接測定されているという意味ではありません。
洞窟内の芸術と共通する主題や構成が屋外にも見られることは、旧石器時代の表現活動を考える重要な根拠です。基準(i)は初期の象徴的創造と文化発展を示す岩絵の独自性、(iii)は初期の人々の社会・経済・精神生活を知る例外的な証言としての価値を評価します。
発見・ダム計画・現地保存
管理団体Côa Parqueの歴史説明によると、ダム工事に伴う調査で考古学者ネルソン・レバンダが最初の岩面を確認したのは1991年末で、一般への公表は1994年でした。地元の羊飼いや川沿いの製粉業者が、それ以前に刻画を見ていた可能性も同資料は指摘しています。
水没の危険をめぐる議論の後、ポルトガル政府は専門家の意見と相次ぐ発見を踏まえ、1996年にダム建設の中止を決定しました。同時に考古公園が設けられ、岩絵を現地で保護し公開する道が選ばれました。
解釈の確かさと限界
UNESCOは様式や主題、洞窟内の岩絵との比較を真正性の根拠とする一方、ケサイやバイソン、シカ類など一部の図像の解釈には疑問が残ると説明しています。動物の同定や描いた人の意図を、全て確定した事実として扱うことはできません。二つの遺跡を共に研究・紹介する越境協力も、その理解と保存を支えています。
世界遺産検定のポイント
- ポルトガルとスペイン、1998年登録、2010年拡張、基準(i)(iii)。
- コア川・アゲダ川、屋外の旧石器岩絵、洞窟芸術と共通する表現、1996年のコア・ダム建設中止が要点です。
参考資料
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EXAM ESSENTIALS
世界遺産検定で押さえるポイント
- ポルトガルとスペイン、1998年登録、2010年拡張、基準(i)(iii)。
- コア川・アゲダ川、屋外の旧石器岩絵、洞窟芸術と共通する表現、1996年のコア・ダム建設中止が要点です。
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