WORLD HERITAGE
ドニャーナ国立公園
スペイン南西部のドニャーナ国立公園は、湿地、砂丘、森林が渡り鳥やイベリアオオヤマネコを支える動的景観です。地下水利用、農業・漁業・巡礼と地域社会、汚染、山火事、干ばつ、気候変動下の生態系保全を解説します。

ESSENTIAL FACTS
基本情報と登録基準
- 登録年
- 1994年
- 登録基準
- (7)・(9)・(10)
- 種類
- 自然遺産
- 国・地域
- スペイン
WHY IT MATTERS
この世界遺産について
ドニャーナ国立公園とは
スペイン南西部アンダルシア、グアダルキビル川が大西洋へ注ぐ河口の右岸にある自然遺産です。1994年に基準(vii)(ix)(x)で登録され、2005年に拡張されました。UNESCO登録欄の面積は54,251.65ヘクタールです。
湿地、砂丘、森林のモザイク
海と川の相互作用から生まれた場所に、湿地、潟湖、泥炭湿地、低木林、森林、固定砂丘と移動砂丘が集まっています。雨の多い年に現れる一時的な水域もあり、常に同じ水面が広がる景観ではありません。
基準(vii)は、広大な湿地や森林、海岸、砂丘と、鳥の営巣地がつくる自然美を評価します。基準(ix)では、海岸・淡水・湿地の多様な生態系に加え、砂の堆積と移動砂丘、植生の一次遷移・二次遷移が示される点が重要です。
欧州とアフリカをつなぐ生息地
東大西洋の渡りのルートに位置し、水鳥が繁殖、越冬、移動途中の休息に利用します。イベリアオオヤマネコ、イベリアカタシロワシ、マーブルガモなどの生息地でもあります。基準(x)は、こうした多様な生物と危惧種の重要な生息環境を評価します。古い解説の鳥類数を、そのまま現在の調査値として使うことはできません。
暮らしと信仰に関わる湿地
ドニャーナは王家の狩猟地だっただけでなく、周辺住民が魚介や森林の資源を得る場所でもありました。エル・ロシオの聖母への巡礼も、この地域の自然と信仰を結び付けています。保護区域の外にある農業や観光と、内部の水環境は切り離せません。
地下水が支える景観
地下水は潟湖や低木林、異なる環境の境目を支えます。UNESCOは、1980年代以降、農業と観光による利用が増し、水をめぐる競合が強まったと説明しています。河川と湿地だけでなく、地下の帯水層を含む流域全体の管理が課題です。
2026年の保全判断
2026年の世界遺産委員会決議は、違法取水の規制や地下水利用者共同体の整備などを認める一方、五つの地下水体のうち三つは過剰利用による水量上の悪い状態にあるとしました。涵養量を評価し、実効性のある持続可能な取水上限を定めるよう重ねて求めています。
同決議では、水文と生態の関係を示すモデルや気候変動適応計画が未完成であることも課題とされました。帯水層の悪化が逆転しなければ危機遺産記載の条件を生じ得るという警告であり、この決議によって危機遺産へ記載されたわけではありません。
参考文献
世界遺産検定のポイント
スペイン、1994年登録、2005年拡張、基準(vii)(ix)(x)。グアダルキビル河口、湿地と固定・移動砂丘、渡り鳥、イベリアオオヤマネコ、地下水管理が要点です。
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EXAM ESSENTIALS
世界遺産検定で押さえるポイント
- スペイン、1994年登録、2005年拡張、基準(vii)(ix)(x)。
- グアダルキビル河口、湿地と固定・移動砂丘、渡り鳥、イベリアオオヤマネコ、地下水管理が要点です。
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