サラマンカの旧市街とは
サラマンカは、スペイン西部カスティーリャ・イ・レオン州に位置する古代都市です。1218年設立のスペイン最古の大学であるサラマンカ大学を中心に「学問の都」として栄え、黄金色に輝く砂岩で造られた歴史的建造物が立ち並ぶ美しい街並みは、1988年にユネスコの世界文化遺産に登録されました。
黄金色の学問の都
サラマンカの建造物の多くは、ビジャマヨール産の砂岩でできており、夕日を浴びると街全体が黄金色に輝くことから「黄金の都市(La Ciudad Dorada)」とも呼ばれています。旧市街には、ロマネスク、ゴシック、ルネサンス、バロックといった様々な時代の建築様式が見事に調和しており、特にスペインで最も美しい広場と称されるプラサ・マヨールは、その象徴的な存在です。
主な見どころ
- プラサ・マヨール:18世紀に建設されたバロック様式の壮麗な広場。周囲を囲む建物のアーケードには、スペインの歴史上の人物のメダリオンが飾られています。
- サラマンカ大学:繊細な彫刻が施されたプラテレスコ様式のファサードが有名。ファサードの中から幸運をもたらすというカエルを見つけるのが観光の恒例となっています。
- 新旧カテドラル:ロマネスク様式の旧カテドラルと、それに隣接して建てられたゴシック・ルネサンス様式の新カテドラル。二つの異なる時代の様式が並び立つ姿は圧巻です。
- カサ・デ・ラス・コンチャス(貝の家):壁一面がホタテ貝の彫刻で飾られた、ゴシック様式のユニークな邸宅。現在は公立図書館として利用されています。
登録基準
この遺産は、以下の基準を満たしたと評価されています。
- (i) 旧市街、特にプラサ・マヨールは、バロック都市計画のユニークな芸術的成果です。
- (ii) サラマンカ大学は、13世紀から16世紀にかけてヨーロッパの学問と思想の中心地として絶大な影響力を持ちました。
- (iv) この都市は、中世からルネサンス期にかけてのキリスト教都市の理想を体現しています。