WORLD HERITAGE
タヌムの線刻画群
スウェーデンのタヌムの線刻画群は、青銅器時代の船、人、動物、武器などを岩面に刻み、海岸景観と儀礼・社会の変化を伝えます。彩色の解釈、担い手の多様性、風化と接触損傷への配慮を解説します。

ESSENTIAL FACTS
基本情報と登録基準
- 登録年
- 1994年
- 登録基準
- (1)・(3)・(4)
- 種類
- 文化遺産
- 国・地域
- スウェーデン
WHY IT MATTERS
この世界遺産について
岩面・図像・隆起海岸の構成
複数地区の露出岩面に、船、人、動物、足跡、武器、車輪など多数の図像が刻まれます。現在の内陸景観だけでなく、氷床後の土地隆起によって変化した当時の海岸線、農地、道との位置関係を読みます。
青銅器時代と制作年代
主要な線刻は北欧青銅器時代に位置づけられますが、同じ岩面でも制作時期や重なりが異なります。船型、武器、考古資料、海岸線復元から年代を検討し、すべてを一人・一儀礼の物語にまとめません。
刻む技術と共同体の担い手
石器などで岩面を打刻・研磨し、反復する線と面を作りました。図像を男性戦士だけの表現と決めつけず、女性、子ども、船員、農耕・牧畜者、儀礼者など多様な担い手と鑑賞者の可能性を示します。
船・身体・儀礼の多義的解釈
船は移動、交易、威信、儀礼を示す可能性があり、身体表現も権力、性、祖先、物語など複数の解釈があります。現代の赤い彩色は視認補助であり、先史時代の元の色を直接再現したものとは限らないと明示します。
登録基準(i)(iii)(iv)と遺産価値・検定ポイント
基準(i)は岩刻芸術の創造性、(iii)は青銅器時代社会への顕著な証言、(iv)は居住・生業・儀礼を示す文化景観の代表性を評価します。検定ではスウェーデン、船の図像、土地隆起、三基準を整理します。
風化・水・微生物・接触の保全
凍結融解、雨水、塩、地衣類・藻類、温度変化、踏圧、接触、彩色処置が課題です。清掃や再彩色の効果と副作用を記録し、三次元計測で微細な変化を監視します。未公開地点の位置は慎重に扱います。
旅行・岩面保護への配慮
雪、湿潤、見学路、ガイド、照明、公開岩面は変動するため、必ず再確認します。岩面へ触れたり水をかけたりせず、赤い線だけでなく無彩色の刻線と周囲の地形を観察します。
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