グラン・バッサム歴史都市とは
コートジボワール南東部、大西洋に面した都市で、19世紀末から20世紀初頭にかけてフランス植民地時代の最初の首都として栄えました。2012年に世界文化遺産に登録され、植民地時代の都市計画と建築様式が良好に保存されている点が評価されています。
登録基準
- (iii) 消滅した文化的伝統や文明に関する独特の証拠を提示する遺産。植民地支配と、それに対するアフリカ社会との相互作用を示す、歴史の証人として価値があります。
- (iv) ある段階の歴史を例証する建築様式、建築物群、技術の集積または景観の顕著な見本。商業地区、行政地区、住宅地区といった機能別の都市計画や、現地の気候に適応したコロニアル建築が特徴的です。
遺産の価値
グラン・バッサムの価値は、19世紀末の植民地都市計画を今に伝える点にあります。格子状の街路、機能ごとに明確に区分された地区(ゾーニング)、そしてギャラリーやベランダを備えた特徴的な公共建築物や住宅が、当時の社会構造と生活様式を物語っています。また、ヨーロッパの建築様式と、ンズィマ人の漁村というアフリカの伝統的な生活空間が隣接して存在している点も、この都市の独自性を示しています。
遺産の概要
都市はエブリエ潟と大西洋を隔てる砂州の上に位置しています。遺産の中心は、フランス植民地時代の建物が並ぶ「フランス地区」です。旧総督府、裁判所、郵便局、商館などが、当時の栄華を偲ばせます。一方、橋を渡った本土側には、現在も多くの人々が暮らす伝統的なンズィマ人の地区が広がっています。
観光と保全
歴史的な街並みは、多くの観光客を惹きつけています。古い建物の多くは修復が必要な状態にあり、歴史的景観を維持しつつ、現代の都市として活性化させていくことが課題です。遺産の保全と持続可能な観光開発の両立が目指されています。
グラン・バッサムの主要建築物
建築物 | 年代 |
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旧総督府 | 19世紀末 |
旧裁判所 | 20世紀初頭 |
旧西アフリカ・フランス銀行 | 20世紀初頭 |
中央市場 | 20世紀初頭 |