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サンガ川流域の3カ国保護地域

サンガ川流域の3カ国保護地域とは

アフリカ中央部のコンゴ盆地に位置し、カメルーン、中央アフリカ共和国、コンゴ共和国の3カ国にまたがる広大な熱帯雨林保護地域です。3カ国の国立公園(ローベケ、ザンガ・ヌドキ、ヌアバレ・ンドキ)が連結しており、国境を越えた一体的な保護管理が行われています。手つかずの自然と、大型哺乳類の高密度な生息が評価され、2012年に世界自然遺産に登録されました。

世界遺産としての価値

この遺産は、以下の2つの登録基準を満たしています。

  • 登録基準(ix) 生態系: 人為的な影響をほとんど受けていない、湿潤な熱帯雨林生態系の顕著な例です。特に「バイ」と呼ばれる、湿地性の森林内の開けた場所は、ミネラルを求めて多くの野生動物が集まるユニークな環境を形成しており、生態系の重要な要素となっています。
  • 登録基準(x) 生物多様性: 絶滅が危惧されるニシローランドゴリラやマルミミゾウが、世界でも有数の密度で生息しています。その他にも、チンパンジーやボンゴなど、多種多様な動植物の重要な生息地です。

「バイ」に集う野生動物

この地域の最大の特徴は、森林の中に点在する「バイ」の存在です。塩分やミネラルを豊富に含んだ土壌が露出したこの場所には、マルミミゾウの群れやニシローランドゴリラ、アフリカシンリンスイギュウなどが集まり、独特の光景が繰り広げられます。この「バイ」は、野生動物の観察や生態研究において非常に重要な役割を果たしています。

主な動植物 説明
ニシローランドゴリラ 絶滅危惧種の大型類人猿。「バイ」で草を食べる姿が観察される。
マルミミゾウ 熱帯雨林に生息するゾウ。泥浴びやミネラル補給のために「バイ」を訪れる。
チンパンジー 道具を使うなど、知的な行動で知られる類人猿。
アフリカシンリンスイギュウ サバンナに住むスイギュウより小型で、森林での生活に適応している。

サンガ川流域の3カ国保護地域は、国境を越えた協力によって貴重な生態系を守る、国際的な自然保護のモデルケースです。密猟や違法伐採などの脅威に対し、3カ国が連携してパトロールなどを行う取り組みが続けられています。

サンガ川流域の3カ国保護地域の基本情報

                         
国名 カメルーン共和国 コンゴ共和国 中央アフリカ共和国
世界遺産の名称 サンガ川流域の3カ国保護地域
遺産の種類 自然遺産
登録年 2012
拡張・範囲変更
危機遺産
危機遺産登録期間
登録基準 (ⅸ)(ⅹ)
備考
範囲(ヘクタール)746309
地図

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