概要
ヴァッハウ渓谷の文化的景観は、オーストリア北部のドナウ川沿いに約36kmにわたって広がる景勝地で、2000年にユネスコの世界文化遺産に登録されました。メルクからクレムスに至るこの地域は、川沿いに広がるブドウの段々畑、中世の古城や修道院、そして趣のある町並みが一体となった美しい文化的景観を形成しています。古代から続くワイン生産の伝統が、この地域の景観と文化を育んできました。
世界遺産登録基準
- (ii) ヴァッハウ渓谷は、建築、都市設計、農業利用(特にブドウ栽培)の面で、古代から非常によく保存された中世の景観であり、その発展に大きな影響を与えました。
- (iv) ヴァッハウ渓谷の建築物や集落は、その物質的な構造において、またその形態と配置において、中世の景観を非常によく保存しており、その進化を生き生きと示しています。
主な見どころ
渓谷沿いには、歴史と自然が織りなす魅力的なスポットが点在しています。
| スポット | 特徴 |
|---|---|
| メルク修道院 | 渓谷の西端、ドナウ川を見下ろす丘に建つ壮大なベネディクト会修道院。オーストリア・バロック建築の最高傑作とされます。 |
| デュルンシュタイン城 | イギリスのリチャード獅子心王が幽閉されたと伝わる古城の遺跡。青い塔を持つ教会とともに町のシンボルとなっています。 |
| ヴァッハウ渓谷のブドウ畑 | 川沿いの急斜面に石垣を組んで作られた段々畑。高品質な白ワインの産地として世界的に有名です。 |
| クレムスの歴史的町並み | 渓谷の東端に位置するワイン交易の拠点都市。保存状態の良い中世の街並みが残っています。 |