WORLD HERITAGE
ハルシュタット=ダッハシュタイン/ザルツカンマーグートの文化的景観
オーストリアのハルシュタット=ダッハシュタイン地域は、先史以来の塩採掘、湖畔集落、山岳交通、農林業が形成した文化的景観です。労働、観光、災害と保存を解説します。

ESSENTIAL FACTS
基本情報と登録基準
- 登録年
- 1997年
- 登録基準
- (3)・(4)
- 種類
- 文化遺産
- 国・地域
- オーストリア
WHY IT MATTERS
この世界遺産について
ハルシュタット–ダッハシュタイン/ザルツカンマーグートの文化的景観は、オーストリアの山地と湖、集落、塩業の歴史を一体として評価する文化遺産です。1997年登録、基準(iii)(iv)。2024年に軽微な範囲変更があり、UNESCO登録欄の面積は28,637ha、緩衝地帯は19,863haです。壮麗な自然景観だけでなく、人々が資源を利用して形作った景観が対象です。
塩と森林が支えた地域の歴史
UNESCOは、青銅器時代の塩水を容器に集めて蒸発させる製塩と、その後の地下採掘を区別して説明しています。紀元前8世紀には広域交易を持つ組織的な鉄器時代の社会が発達し、「ハルシュタット文化」の名で知られるようになりました。
鉱山と製塩には大量の木材が必要でした。高地の森林は16世紀以降オーストリア王権の直接管理下に置かれました。塩の生産は坑道だけで完結せず、森林の利用や集落の経済とも結び付いていたのです。1750年の火災後、ハルシュタットの町は後期バロック様式で再建されました。
坑内の資料から分かる食生活
塩分の多い坑内環境には、布、道具、食物の残りなどの有機物がよく保存されています。壊れた道具や使い終わった松明だけでなく、人の排泄物も、採鉱に携わった人々の生活を研究する資料になっています。
Eurac Researchなどが2021年に発表した研究では、鉄器時代の排泄物試料から、青カビチーズとビールの製造に関わる菌類のDNAが見つかりました。研究者はこれを発酵食品の摂取を示す分子学的証拠と解釈しています。これは調べた試料に基づく結果であり、すべての鉱夫が毎日同じ食事をしたという証明ではありません。
生産と山岳景観の関係
高地の草地では季節的な放牧も行われ、塩業、木材生産、牧畜が景観の中で関係してきました。19世紀には作家や画家が山地の美しさを紹介し、観光客のためのホテルや塩水浴場も発達しました。生産の場だった地域が、景観を鑑賞する場所としても使われるようになった過程です。
基準(iii)は塩の採掘・加工と人間活動の長い関係、(iv)は経済活動の証拠を備え、塩業を中心に長く変化してきた文化的景観を評価します。保存では、町の外観だけでなく坑道・森林・放牧地を含む関係を理解することが重要です。
世界遺産検定のポイント
- 1997年登録、2024年に軽微な範囲変更。文化遺産で基準は(iii)(iv)です。
- 塩の採掘・加工、木材利用、湖畔の集落、山岳景観の結び付きが評価されています。
- 鉄器時代のハルシュタット文化と、坑内の有機物が伝える労働・食生活が重要です。
参考資料
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世界遺産検定で押さえるポイント
- 1997年登録、2024年に軽微な範囲変更。文化遺産で基準は(iii)(iv)です。
- 塩の採掘・加工、木材利用、湖畔の集落、山岳景観の結び付きが評価されています。
- 鉄器時代のハルシュタット文化と、坑内の有機物が伝える労働・食生活が重要です。
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