バリ州の文化的景観とは
インドネシアのバリ島に広がる伝統的な水利システム「スバック」を中心とした文化的景観で、2012年に世界文化遺産に登録されました。「トリ・ヒタ・カラナ」という、神・人・自然の三者の調和を重んじるバリ・ヒンドゥー教の哲学を基盤としており、水田の灌漑を寺院が管理する独特の社会・宗教的システムが1000年以上にわたって維持されています。
世界遺産登録基準
- (3) 現存するまたは消滅した文化的伝統または文明の、唯一のまたは少なくとも稀な証拠。
- (5) ある文化(または複数の文化)を代表する伝統的集落、あるいは陸上ないし海上利用の際立った例。もしくは特に不可逆的な変化の中で存続が危ぶまれている人と環境の関わりあいの際立った例。
- (6) 顕著で普遍的な意義を有する出来事、現存する伝統、思想、信仰または芸術的、文学的作品と直接にまたは明白に関連するもの。
主な構成資産
この遺産は、バリ島の5つの地域にまたがる19,500ヘクタール以上の範囲で構成されています。
| 構成資産 | 説明 |
|---|---|
| ウルン・ダヌ・バトゥール寺院 | バトゥール湖の女神を祀り、すべてのスバックの最高位に立つ水の寺院。 |
| バトゥール湖 | バリ島全体の灌漑用水源となるカルデラ湖。 |
| パクリサン川流域のスバック景観 | 11世紀に遡る最も古いスバックの遺跡群が見られる地域。 |
| カatur・アンガ・バトゥカルのスバック景観 | 棚田が広がる景観。 |
| タマン・アユン寺院 | 18世紀の王家の寺院で、スバックの階層構造を象徴する。 |