WORLD HERITAGE
ポルトヴェネーレ、チンクエ・テッレ及び小島群
イタリアのポルトヴェネーレ、チンクエ・テッレと小島群は、険しい海岸の集落、乾式石垣の段々畑、島々がつくる文化的景観です。農漁業の維持労働、地滑り・過密観光、住民生活を解説します。

ESSENTIAL FACTS
基本情報と登録基準
- 登録年
- 1997年
- 登録基準
- (2)・(4)・(5)
- 種類
- 文化遺産
- 国・地域
- イタリア
WHY IT MATTERS
この世界遺産について
険しい海岸・集落・島々の構成
ポルトヴェネーレ、五つの集落、沿岸斜面、段々畑、道、港、小島群が、陸と海の生活を結びます。写真で有名な家並みだけを遺産とせず、石垣、農地、水路、礼拝施設、漁港、島の修道遺構などを含めます。構成区域と保護制度を区別します。
乾式石垣と段々畑の技術
急斜面に石を積み、土を保持し、排水を確保してブドウやオリーブなどを育てました。モルタルを使わない石垣は柔軟性をもちますが、基礎、裏込め、排水、石の選択、継続補修が必要です。総延長や起源を誇張せず、時代・場所ごとの形成を示します。
農業・漁業・運搬を支えた労働
石垣修理、耕作、収穫、急斜面での運搬、漁労、船の維持には大きな身体負担が伴いました。美しい景観を無人の造形とせず、女性、高齢者、季節労働者、家族、協同組織の仕事を扱います。農地放棄は生計、相続、価格、人口移動の問題として理解します。
鉄道・観光・生活の歴史
鉄道や道路は孤立を緩和し、生活・流通・観光を変えました。観光は収入を生む一方、混雑、住宅の短期賃貸化、通勤困難、ごみ、水需要を増やします。集落を舞台装置にせず、学校、商店、交通、手頃な住宅が維持されることを文化景観の継承と考えます。
登録基準(ii)(iv)(v)と遺産の価値
基準(ii)は地中海沿岸の集落・農業景観の交流、基準(iv)は集落・段々畑・港の構成、基準(v)は険しい環境へ適応した伝統的土地利用を評価します。検定ではイタリア、リグーリア、ポルトヴェネーレ、チンクエ・テッレ、乾式石垣、三基準を整理します。
地滑り・豪雨・農地放棄への対応
豪雨、地滑り、落石、火災、海岸侵食、石垣崩壊が課題です。排水と斜面を流域単位で監視し、石垣技術者と農業担い手を支援します。石垣を観光用の一部だけ修復せず、作付け・道・水管理と一体で維持し、過密時の入域・交通を調整します。
旅行・列車・遊歩道の安全
列車、船、遊歩道、地滑り閉鎖、入域制度は天候と季節で変わるため、必ず再確認します。閉鎖道へ入らず、農地と住宅を横切らず、日帰り集中を避け、地域宿泊・農産物・公共交通へ還元します。
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