概要
シエナの歴史地区は、イタリアのトスカーナ州に位置する、中世の都市景観が非常によく保存された世界遺産です。1995年に登録され、扇状に広がるカンポ広場を中心に、ゴシック様式の壮麗な建築物が迷路のような小路と調和しています。中世イタリアの都市国家としてフィレンツェと競い合ったシエナの栄華を今に伝えています。
主な見どころ
シエナの魅力は、その統一感のある街並みそのものにあります。
- カンポ広場:「世界で最も美しい広場」と称される、市の中心にある扇形の広場。年に2回、地区対抗の競馬「パーリオ」が開催されることでも有名です。
- シエナ大聖堂(ドゥオーモ):ロマネスク様式とゴシック様式が融合した、白と黒の大理石の縞模様が印象的な大聖堂。内部の床を飾る大理石の象嵌細工は圧巻です。
- プッブリコ宮殿(市庁舎)とマンジャの塔:カンポ広場に面して建つゴシック建築の傑作。高さ102mのマンジャの塔からは、シエナの美しい街並みを一望できます。
世界遺産登録基準
この遺産は、以下の基準を満たしたと見なされ、世界遺産に登録されました。
- (i) シエナの街全体が、人間が住むために設計された芸術作品として、中世都市の設計と建築の傑作である。
- (ii) シエナの建築は、中世イタリアだけでなく、ヨーロッパ全体の芸術、建築、都市計画に大きな影響を与えた。
- (iv) シエナのゴシック様式の都市景観は、12世紀から15世紀にかけてのシエナの美学的追求を完璧に体現している。