カスビのブガンダ王国の王墓の概要と価値
カスビのブガンダ王国の王墓は、ウガンダの首都カンパラ近郊のカスビの丘に位置するブガンダ王国の歴代国王(カバカ)の墓所です。木、茅、葦といった自然素材のみで作られた巨大なドーム型の霊廟「ムジブ・アザーラ・ムパンガ」は、伝統建築技術の傑作とされています。この場所はブガンダの人々にとって極めて神聖な精神的中心地であり、その文化的価値から2001年にユネスコの世界文化遺産に登録されました。
世界遺産登録基準
- (i) 伝統的な建築技術を駆使した巨大な茅葺屋根の霊廟は、人類の創造的才能を示す傑作です。
- (iii) 生きた文化的伝統が今なお息づいており、ブガンダ王国のかけがえのない文化的アイデンティティの証拠です。
- (iv) アフリカ大陸全体で見ても、有機的な自然素材を用いた建築物として規模と質の点で他に類を見ません。
- (vi) ブガンダの人々の歴史、伝統、信仰の強力な精神的中心地として、今も重要な役割を果たしています。
主要な建造物
王墓の中心は、4人のカバカが眠る巨大な霊廟「ムジブ・アザーラ・ムパンガ」です。この霊廟は、伝統的な儀式や精神的な活動の場として機能しており、ブガンダ王国の生きた文化を象徴しています。
| 建造物 | 説明 |
|---|---|
| ムジブ・アザーラ・ムパンガ | 4人の国王が祀られている巨大なドーム型霊廟。 |
| その他の付属建築物 | 王族の住居や儀式用の建物が周囲に配置されている。 |
火災からの復興と保全
2010年、主要な霊廟が火災により焼失し、危機遺産リストに登録されました。その後、ウガンダ政府とユネスコ、そして日本の支援を含む国際社会が協力し、伝統的な技術や素材を用いて慎重に再建作業が進められました。この復興プロセスは、文化遺産の継承と防災の重要性を再認識させる機会となり、現在も継続的な保全活動が行われています。