ヴェネツィア憲章(記念建造物及び遺跡の保全と修復のための国際憲章)とは、1964年にイタリア共和国のヴェネツィアで開催された第2回「歴史的記念建造物の建築家・技術者国際会議」にて採択された記念物や建造物遺跡などの保存・修復に関する憲章です。
主に書かれていることは以下です。
- 記念物や建造物、遺跡等を芸術作品かつ歴史的証拠として保護すること
- 修復の際には歴史的に誤解を与えぬよう修復箇所を明らかにすること
この2つの中でも、特に修復に際して不可避な付加工事があった場合は、それが後から補ったものであることを示さなければなりません。
ヴェネツィア憲章とアテネ憲章の違い
ヴェネツィア憲章は1931年のアテネ憲章の大きな方針である「文化遺産を尊重し、保護・修復する」という理念を継承している一方で、その修復方法については考え方が大きく異なっています。以下の表にまとめます。
憲章名 | 理念 | 修復時の対応 |
---|---|---|
アテネ憲章 | 文化遺産を尊重し、保護・修復する | 近代的な技術と材料の使用は認める |
ヴェネツィア憲章 | 文化遺産を尊重し、保護・修復する | 建設当時の工法、素材を尊重する |