リヴィエラ観光の都ニースとは
ニースは、フランス南東部の地中海沿岸、「コート・ダジュール」の中心都市です。18世紀半ばから、穏やかな気候を求めてヨーロッパ、特にイギリスの貴族階級が訪れるようになり、冬季の滞在地(越冬地)として発展しました。この国際的な観光客の需要に応える形で、計画的な都市開発が行われ、独特の景観が生まれました。この「リヴィエラ観光」のために形成された都市としての価値が認められ、2021年にユネスコの世界文化遺産に登録されました。
主な見どころ
ニースの都市構造は、観光客の快適な滞在とレクリエーションを目的として設計されており、その特徴が各所に見られます。
| 名所 | 特徴 | 
|---|---|
| プロムナード・デ・ザングレ | 「イギリス人の散歩道」を意味する、ニースの象徴的な海岸通り。ホテルやカジノが立ち並び、観光都市としての景観を形成しています。 | 
| 旧市街(ヴィユー・ニース) | イタリアの影響を受けた、色鮮やかなバロック様式の建物が密集する歴史地区。市場やレストランが賑わいを見せます。 | 
| シミエ地区 | 高台に位置する高級住宅街。ベル・エポック時代の豪華なヴィラやホテルが点在し、マティス美術館などもあります。 | 
世界遺産としての価値
ニースの遺産価値は、特定の建造物だけでなく、気候の良さを活かした観光という目的のために、2世紀にわたって形成された都市計画そのものにあります。多様な文化的背景を持つ人々が交流する中で生まれた建築様式や生活文化が、近代的なリゾート都市の原型となり、世界中の観光開発に影響を与えた点が評価されています。
登録基準
- (ii) ニースの都市計画と建築様式は、18世紀以降の国際的な文化交流を背景に発展したものであり、その後のリゾート都市開発に大きな影響を与えました。