ドーラビーラ:ハラッパー文化の都市とは
ドーラビーラは、インド西部グジャラート州のカッチ大湿地内にある島に位置する、ハラッパー文化(インダス文明)の古代都市遺跡です。紀元前3000年頃から紀元前1500年頃にかけて繁栄し、2021年に世界文化遺産に登録されました。この都市は、南アジアにおける同時代の都市の中で最も壮大で保存状態が良いものの一つであり、計画的な都市構造、洗練された水管理システム、そして多様な工芸品で知られています。
都市の特徴
- 階層的な都市構造:都市は石の城壁で囲まれ、支配者層が住んだとされる堅固な「城塞」、役人などが居住した「中部市街地」、そして一般市民が暮らした「下部市街地」という階層的な区画に分かれていました。
- 高度な水管理システム:降水量の少ない乾燥地帯に位置するため、雨水を貯めるための巨大な貯水槽やダム、水路が精巧に設計・建設されており、当時の高度な土木技術を示しています。
- 多様な遺物:印章、ビーズ、土器、動物の骨、金や銅の装飾品などが出土しており、メソポタミアなどとの広域な交易活動を裏付けています。
世界遺産登録基準
- (iii) ハラッパー文化の伝統、特にその都市計画、建築技術、水管理、社会構造を伝える独自の証拠である。
- (iv) 紀元前3千年紀における、計画都市の発展段階を示す顕著な見本である。