ヒルカニアの森林群とは
ヒルカニアの森林群は、イラン北部のカスピ海南岸に広がる広大な森林地帯です。約2500万年前から続く古代の温帯落葉樹林であり、その豊かな生物多様性と地質学的な重要性が評価され、2019年にユネスコの世界自然遺産に登録されました。
遺産の価値と特徴
この遺産は、氷河期の影響を免れたことで多くの古代植物種が生き残った「避難所」としての役割を果たしてきました。登録基準(ix)「生態系の進化を示す顕著な例」として、以下の価値が認められています。
- 生物多様性: 約80種の木本植物が自生するなど、多様な動植物が生息しています。ペルシャヒョウなどの絶滅危惧種や多くの固有種にとって重要な生息地です。
- 地質学的・生態学的価値: 氷河期を生き延びた古代の森林生態系が手つかずの状態で残っており、地球の生態系の進化の歴史を理解する上で非常に重要です。
- 自然景観: 緑豊かな森林と急峻な山岳地帯が織りなす美しい景観は、古代の自然環境を体感できる貴重な場所となっています。