ピマチオウィン・アキとは
ピマチオウィン・アキは、カナダのマニトバ州とオンタリオ州にまたがる広大な森林地帯で、2018年にユネスコの世界複合遺産に登録されました。その名は先住民アニシナアベの言葉で「生命を与える大地」を意味し、自然と文化が密接に結びついた文化的景観が評価されています。
遺産の価値
ピマチオウィン・アキの価値は、手つかずの自然環境と、そこで育まれた先住民アニシナアベの伝統文化が一体となっている点にあります。
文化と自然の融合
アニシナアベ族は数千年にわたり、この地で漁労、狩猟、採集といった伝統的な生活を営んできました。彼らの持続可能な土地利用の知恵や、自然と共生する世界観は、この地域の文化的伝統の核心をなしています。
豊かな生物多様性
広大な北方林と無数の湖や川が織りなす生態系は、カリブーやオオカミ、ヘラジカなど多様な動植物の生息地となっています。ここは、生物多様性の保全上、非常に重要な地域です。
世界遺産としての評価
ピマチオウィン・アキは、以下の登録基準を満たしたことが評価されました。
- (iii) アニシナアベ族の「ジガンタウィノウイン(生命の維持)」の伝統に見られるように、土地と共生する文化的伝統の顕著な見本である。
- (vi) 「生命を与える大地」という概念は、自然と文化の結びつきを示す顕著な例である。
- (ix) 北方林の生態系の進化を示す、際立った見本である。