中国丹霞
中国丹霞(ちゅうごくたんか)は、中国南部の6つの省に点在する丹霞地形の代表的な地域をまとめたもので、2010年にユネスコの世界自然遺産に登録された連続遺産です。丹霞地形とは、赤みがかった砂礫岩が長い年月の侵食を受けて形成された地形で、切り立った断崖や奇岩群が特徴です。登録されているのは、貴州省の赤水、福建省の泰寧、湖南省の崀山、広東省の丹霞山、江西省の龍虎山、浙江省の江郎山の6か所です。
地質学的価値と景観美
中国丹霞の価値は、その独特な地形の形成過程と、それが生み出す壮麗な景観にあります。ジュラ紀から白亜紀にかけて堆積した赤い地層が、地殻変動によって隆起し、流水や風雨による侵食を受けて現在の姿になりました。発達の各段階(青年期、壮年期、老年期)の地形が揃っており、丹霞地形の進化の全過程を観察できる貴重な場所です。断崖、渓谷、洞窟、天然橋などが織りなす景観は、中国の山水画の世界を彷彿とさせます。
登録基準
この遺産は以下の基準を満たしたと評価され、世界遺産に登録されました。
- (vii) ひときわ優れた自然美及び美的な重要性をもつ最高の自然現象または地域を包含するもの。
- (viii) 地球の歴史上の主要な段階を示す顕著な見本であるもの。
代表的な構成資産
| 地域名 | 特徴 |
|---|---|
| 丹霞山(広東省) | 「丹霞」の名称の由来となった場所。壮年期の典型的な地形が見られる。 |
| 泰寧(福建省) | 青年期の地形で、深い渓谷や洞窟が特徴。 |
| 龍虎山(江西省) | 老年期の地形で、比較的穏やかな峰々と川が美しい景観をなす。 |