WORLD HERITAGE
古都ザビード
イエメン西部ティハーマの古都ザビードは、円形城塞都市、モスク、マドラサ、焼成煉瓦住宅がイスラーム学問と地域建築を伝えます。2000年から続く危機遺産指定、紛争と住宅劣化の中で住民の生活を守る課題を解説します。

ESSENTIAL FACTS
基本情報と登録基準
- 登録年
- 1993年
- 登録基準
- (2)・(4)・(6)
- 種類
- 文化遺産
- 国・地域
- イエメン
WHY IT MATTERS
この世界遺産について
基本情報と遺産の意義
古都ザビードはイエメン西部、紅海沿岸ティハーマ地方の肥沃な氾濫原近くにあります。1993年に登録基準(ii)(iv)(vi)で世界遺産となり、2000年から危機遺産リストにあります。円形の城塞都市、四つの門、運河、モスク、マドラサ、スーク、焼成煉瓦の中庭住宅が、初期イスラーム期からの都市計画、13~15世紀の首都、広域の学問拠点としての歴史を伝えます。
都市・建築の構成
アシャーイル・モスクを核に、大モスクとスーク、約86とされるモスク、ラスール朝期の14マドラサ、城壁跡、望楼、城塞、墓地、細街路、運河が構成をつくります。住宅は焼成煉瓦で、閉じた中庭へムラッバと呼ばれる客間が開き、大きな家では二・三層へ伸びます。彫刻煉瓦、壁龕、天井装飾がティハーマの気候、プライバシー、家族・客の関係へ応じます。
首都と学問都市の歴史
7世紀のイスラーム定着期から栄え、9世紀初頭のズィヤード朝形成、13~15世紀のラスール朝期に政治・教育の中心となりました。モスクとマドラサには各地から学生が集まり、宗教だけでなく諸学を学びました。統治者と著名学者だけでなく、教師、学生、写字生、製本、職人、商人、女性、農民、運河維持労働者が知識と都市生活を支えたことを含めます。伝承上の「最初」を無批判に断定しません。
暮らしと建築技術
細い曲折路と間接的な住宅入口は日射、風、プライバシー、安全へ対応します。焼成煉瓦と漆喰、木材、屋根、排水は定期修理が必要で、住民の居住が技能の継承を支えます。歴史地区を博物館化して住民を移転させず、水、衛生、電気、防火、断熱、医療への権利を改善します。現代設備は必要ですが、架線、配管、コンクリートを無計画に加えず、修理可能な設計と地域雇用を選びます。
登録基準(ii)(iv)(vi)
基準(ii)は住宅・軍事建築と都市計画がイエメン沿岸平野へ与えた影響、基準(iv)はティハーマ型中庭住宅、城壁・望楼・城塞を含む都市類型、基準(vi)は初期イスラームの拡大と長期の学問拠点との結び付きを評価します。検定ではイエメン、1993年、基準(ii)(iv)(vi)、ティハーマ、円形都市、モスク・マドラサ、13~15世紀首都、2000年から危機遺産を整理します。
危機遺産・紛争と保全
コンクリート建物、波板、架線、空地への侵入、伝統住宅の放棄と劣化が完全性を損ない、武力紛争、空爆、貧困、物価、資材・人員不足、洪水・豪雨、シロアリが対応を難しくします。古い評価の「40%脆弱」を現在値として固定せず、2025年の保全状況を確認します。緊急補強、住宅修理、現金給付型雇用、職人育成を住民の安全と生計へ結び付けます。
世界遺産検定で覚えるポイント
イエメン、1993年、基準(ii)(iv)(vi)、2000年から危機遺産を押さえます。ティハーマ、円形城塞都市、四門、運河、アシャーイル・モスク、大モスクとスーク、多数のモスク、ラスール朝期マドラサ、焼成煉瓦の中庭住宅、13~15世紀首都、イスラーム学問拠点が要点です。サナア旧市街、シバームとは材料、立地、都市形態を区別します。
旅行・紛争下の安全
イエメンの武力紛争、空爆、地雷・不発弾、検問、誘拐、道路、燃料、通信、感染症、医療、遺跡公開は急変します。イエメン文化当局、国際機関、日本国外務省情報を必ず再確認し、危険情報がある現状では訪問を勧めません。位置情報で脆弱な建物をさらさず、住民・警備・宗教行為を無断撮影せず、出土品を購入しません。
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