承徳の避暑山荘と外八廟の写真

承徳の避暑山荘と外八廟

承徳の避暑山荘と外八廟とは

承徳の避暑山荘と外八廟は、中国河北省承徳市に位置する歴史的な建造物群で、1994年にユネスコの世界文化遺産に登録されました。避暑山荘は、清朝の皇帝が夏季に滞在し政務を執った広大な離宮であり、その周囲にはチベットやモンゴルなど、周辺民族との融和を目的として建立された寺院群(外八廟)が点在しています。

登録基準

  • 登録基準(ii) 「ある期間を通じてまたはある文化圏において、建築、技術、記念碑的芸術、都市計画、景観デザインの発展に関し、人類の価値の重要な交流を示すもの」。避暑山荘と外八廟は、漢民族と少数民族の文化(儒教、仏教、道教)の建築様式が交流し、融合した顕著な例です。
  • 登録基準(iv) 「歴史上の重要な段階を物語る建築様式、建築物群、技術の集積、または景観の優れた例」。宮殿や寺院は、中国北部と南部の建築様式の要素を取り入れ、美しい庭園と湖、草原、森林と調和した見事な景観を創り出しています。

遺産の価値

  • 多文化の融合した建築 避暑山荘は、中国各地の景勝地を模した多様な景観を持つ庭園と、質素ながらも機能的な宮殿から成ります。一方、外八廟にはチベット仏教のポタラ宮を模した普陀宗乗之廟など、様々な民族の建築様式が取り入れられています。
  • 清朝の統治理念の象徴 避暑山荘と外八廟は、清朝が多民族国家として中国を統治するための政治的・文化的戦略を象徴する遺産です。皇帝はここでモンゴルやチベットの王侯貴族を接見し、国家の統一と安定を図りました。

外八廟の主な寺院

寺院名 特徴
普陀宗乗之廟 チベットのラサにあるポタラ宮を模して建てられ、「小ポタラ宮」とも呼ばれる。
普寧寺 巨大な木造の千手千眼観音像を本尊とすることから「大仏寺」とも呼ばれる。
須弥福寿之廟 チベット仏教の指導者パンチェン・ラマ6世の訪問を記念して建設された寺院。

承徳の避暑山荘と外八廟の基本情報

                         
国名 中華人民共和国
世界遺産の名称 承徳の避暑山荘と外八廟
遺産の種類 文化遺産
登録年 1994
拡張・範囲変更
危機遺産
危機遺産登録期間
登録基準 (ⅱ)(ⅳ)
備考
範囲(ヘクタール)611.2
地図

関連する世界遺産

  1. アウシュヴィッツ・ビルケナウ ‐ ナチス・ドイツの強制絶滅収容所(1940 ‐ 1945) ‐ の写真

    アウシュヴィッツ・ビルケナウ ‐ ナチス・ドイツの強制絶滅収容所(1940‐1945)

  2. 高句麗古墳群の写真

    高句麗古墳群

  3. ミケーネとティリンスの考古遺跡の写真

    ミケーネとティリンスの考古遺跡

  4. リスボンのジェロニモス修道院とベレンの塔の写真

    リスボンのジェロニモス修道院とベレンの塔

  5. タオスの先住民集落の写真

    タオスの先住民集落

  6. 大足石刻の写真

    大足石刻

  7. ナポリの歴史地区の写真

    ナポリの歴史地区

  8. リヴィエラ観光の都ニースの写真

    リヴィエラ観光の都ニース

  9. 要塞教会のあるトランシルヴァニアの村落の写真

    要塞教会のあるトランシルヴァニアの村落