フォース橋の概要
フォース橋は、スコットランドのフォース湾に架かる鉄道橋で、1890年に開通しました。その大胆なデザインと巨大なスケールで、ヴィクトリア朝時代のエンジニアリング技術の頂点を象徴する建造物です。設計はジョン・ファウラー卿とベンジャミン・ベイカー卿が手掛け、鋼鉄を大規模に使用した世界初の主要橋梁の一つとして知られています。2015年に世界文化遺産に登録され、現在もなお現役の鉄道橋として使用されています。
世界遺産としての価値
フォース橋は、その革新的な技術とデザインが評価され、2つの基準を満たしています。
- 登録基準(i): 3つの巨大なダイヤモンド形のカンチレバー(片持ち梁)構造を持つその姿は、機能性と審美性を両立させた独創的な傑作です。その力強くも優雅なデザインは、産業時代の創造力を象徴しています。
- 登録基準(iv): 橋梁の設計、材料、規模において画期的な進歩を示した建造物です。先行するテイ橋の崩落事故を教訓に、強度と耐久性を徹底的に追求して設計されており、その後の長大橋建設に多大な影響を与えました。
構造と設計
フォース橋は、その規模と技術において多くの特筆すべき点を持ちます。
| 特徴 | 詳細 |
|---|---|
| 構造形式 | 多径間カンチレバー橋 |
| 全長 | 2,467メートル |
| 主塔の高さ | 110メートル(満潮時) |
| 使用鋼材量 | 約54,000トン |
| 建設の背景 | 強風によるテイ橋の崩落事故(1879年)を受け、卓越した強度と剛性を持つ橋として設計された。 |