ゴフ島及びインアクセシ-ブル島の概要
ゴフ島及びインアクセシブル島は、南大西洋に浮かぶイギリスの海外領土、トリスタン・ダ・クーニャ諸島に属する2つの火山島です。1995年にゴフ島が世界自然遺産に登録され、2004年にインアクセシブル島が追加登録されました。これらの島々は、人間の活動による影響をほとんど受けていない、世界で最も原生的な状態を保った温帯海洋性生態系の一つとして知られています。特に、数百万羽の海鳥が生息する世界最大級の繁殖地として、国際的に極めて重要です。
世界遺産としての価値
これらの島々は、その壮大な自然景観と比類なき生物多様性から、2つの基準で評価されています。
- 登録基準(vii): 断崖絶壁の海岸線、滝、そして緑豊かな植生が織りなす景観は、手つかずの自然が持つ荘厳な美しさを示しています。
- 登録基準(x): 生物多様性の保全上、世界的に極めて重要な地域です。特に、アホウドリ類やミズナギドリ類といった海鳥の個体数が世界的に見ても非常に多く、トリスタンアホウドリやメガネミズナギドリなどの絶滅危惧種の重要な生息地となっています。また、ゴフキマユホオジロやインアクセシブルクイナ(世界最小の飛べない鳥)といった固有種の陸鳥も生息しています。
主要な自然要素
| 自然要素 | 特徴 |
|---|---|
| 固有の鳥類 | ゴフキマユホオジロ、インアクセシブルクイナなど、島固有の陸鳥が生息。 |
| 海鳥の繁殖地 | トリスタンアホウドリなど、数百万羽の海鳥が繁殖する世界最大級のコロニー。 |
| 手つかずの自然 | 外来種の影響が少なく、原生的な植生と生態系が保たれている。 |