ジャイアンツ・コーズウェイとその海岸の概要
ジャイアンツ・コーズウェイとその海岸は、北アイルランドのアントリム州北部の海岸線に広がる、特異な自然景観を持つ地域です。1986年に世界自然遺産に登録されました。この地の最大の特徴は、約4万本もの六角形を主とする石柱が整然と並ぶ柱状節理(ちゅうじょうせつり)です。これらの石柱は、約6000万年前の火山活動によって流れ出た溶岩が、冷却・収縮する過程で形成されたものです。
世界遺産としての価値
この遺産は、その独特の景観と地質学的な重要性から、2つの基準で評価されています。
- 登録基準(vii): 海岸に広がる無数の石柱が織りなす景観は、他に類を見ないほどの自然美を誇ります。規則正しく並んだ石柱が海へと続く光景は、あたかも巨人が築いた道のように見え、見る者に強い印象を与えます。
- 登録基準(viii): この地は、地球の歴史、特に第三紀の火山活動の痕跡を研究する上で世界的に重要な場所です。柱状節理が形成される地質学的プロセスを非常によく示しており、地球科学の発展に大きく貢献してきました。
地質学的特徴
ジャイアンツ・コーズウェイは、その名の通り、まるで巨人が作ったかのような構造物で構成されています。
- 柱状節理: 主に玄武岩でできた石柱は約4万本あり、そのほとんどが六角形ですが、四角形、五角形、七角形、八角形のものも存在します。
- 地形: 石柱は海岸に沿って階段状の地形を形成しており、大きいものでは高さ12mに達します。周辺の断崖にも同様の柱状節理が見られ、壮大な景観を生み出しています。