概要
ガダーミスの旧市街は、リビア北西部のサハラ砂漠に位置するオアシス都市です。「砂漠の真珠」とも称されるこの街は、古代からサハラ交易の要衝として栄えました。特に、灼熱の砂漠気候に適応するために発達した独自の建築様式と都市構造が高く評価され、1986年に世界文化遺産に登録されました。日干し煉瓦で造られた家々が密集し、迷路のような路地が張り巡らされています。
世界遺産登録基準
ガダーミスの旧市街は、以下の基準を満たしたことが評価されています。
- (v) 厳しい砂漠環境の中で、人々が持続可能な生活を営んできた伝統的な集落の顕著な見本です。その垂直的な空間利用は特にユニークです。
特徴的な建築と都市構造
旧市街は、夏の酷暑を避けるための工夫に満ちています。
- 垂直的な生活空間:1階は貯蔵庫、2階は家族の居住空間、そして屋上は女性専用の通路や社交場として利用される3層構造になっています。
- 屋根付きの路地:地上階の路地はほとんどが屋根で覆われており、日差しを遮ることで涼しい空間を生み出しています。
- 白い漆喰の壁:建物の壁は太陽光を反射する白い漆喰で塗られています。
| 建築要素 | 特徴 |
|---|---|
| 伝統的な住宅 | 日干し煉瓦造り。垂直に空間を利用し、屋上は女性たちの通路となっている。 |
| モスク | 旧市街には複数の歴史的なモスクが点在し、地域社会の中心となっている。 |
| 屋根付きの路地 | 迷路のように入り組んだ通路。強い日差しを避け、街の温度上昇を抑える。 |