アテネ憲章(歴史的記念建造物の修復のためのアテネ憲章)とは、1931年にギリシャのアテネで開催された第1回「歴史的記念建造物の建築家・技術者国際会議」にて採択された憲章です。
記念物や建造物、遺跡等の保存・修復に関する基本的な考え方を明確に示したものとなっています。
アテネ憲章の内容
アテネ憲章では、修復の際にはいかなる時代の様式も無視せずに過去の歴史的・芸術的作品を尊重すること、記念物や建造物をその存在意義を維持しながら使用すること、歴史的建造物を親権的な保護下に置くこと、教育の重要性等が謳われています。
アテネ憲章と世界遺産条約の違い
文化遺産を尊重して保護・修復するという考え方が共通している一方で、修復の際に近代的な技術と材料の仕様を認めている点が世界遺産条約とは異なります。
世界遺産条約では真正性が求められますが、奈良文書によって遺産の保存は地理や気候、環境などの自然条件と、文化・歴史的背景などとの関係の中ですべきとされています。つまり、近代的な技術や材料の使用は真正性を担保することができないという考え方です。