ICOMOS(国産記念物遺跡会議、International Council on Monuments and Sites)とは、本部をフランスのパリに置く非政府機関(NGO)です。ヴェネツィア憲章の原則を基に1965年に設立されました。
文化遺産の専門的調査や審査を行い、世界遺産委員会に審査報告を行う役割があります。
また、以下のように世界遺産に登録された後も監視・管理業務を担います。
- 文化遺産の保全状況の監視
- 国際的援助申要請の審査
ICOMOSは建築遺産や考古学的遺産の保全のための理論や方法論、科学技術の応用を推進することを目的として設立されています。
ICCROM、IUCNとならび、世界遺産委員会諮問機関の1つとして毎年開催される世界遺産委員会に代表が参加します。
文化遺産への登録を目指す場合、ユネスコに推薦書を提出し、ICOMOSによる現地調査を受けます。そして、調査実施翌年の4~5月ごろに調査結果が報告されます。これをICOMOS勧告と呼びます。
ICOMOS勧告の4つの種類
ICOMOSは調査結果を下記の4つのいずれかとして報告します。
- 記載
- 情報照会
- 記載延期
- 不記載
この結果はその後の世界遺産委員会において非常に重要視されるもので、基本的に記載の判断が出ている場合は世界遺産委員会でもそのまま正式登録になります。
それ以外はいわば「世界遺産に登録するには問題や要調査事項があります」という判断なので、登録延期になったりすることが多いのですが、近年の傾向としては情報照会の報告が挙がっていてもそのまま正式登録になるケースが増えてきており、ICOMOSの存在意義や世界遺産委員会での役割が希薄化しているという問題を抱えています。