ブルーマウンテン山脈とジョン・クロウ山地の写真

ブルーマウンテン山脈とジョン・クロウ山地

ブルーマウンテン山脈とジョン・クロウ山地とは

ブルーマウンテン山脈とジョン・クロウ山地は、ジャマイカの東部に広がる山岳地帯で、2015年に文化と自然の価値が認められる複合遺産として世界遺産に登録されました。この地域は、豊かな生物多様性を誇る自然環境と、逃亡奴隷であったマルーンの人々が築き上げた独自の文化が密接に結びついた、世界でも類を見ない場所です。

ジャマイカ最高峰のブルーマウンテン・ピーク(標高2,256m)を含むこの山地は、コーヒーの産地としても有名ですが、それ以上に多くの固有種が生息する生物多様性のホットスポットとして知られています。

登録基準

  • 登録基準 (iii): マルーン文化という、文化的伝統の稀な証拠。
  • 登録基準 (vi): 自由と生存を求めるマルーンの人々の闘争の歴史と深く関連している点。
  • 登録基準 (x): 非常に多くの固有種や絶滅危惧種を含む、生物多様性の保全上、極めて重要な生息地である点。

遺産の価値

この遺産の価値は、険しい山岳地形が育んだ豊かな自然と、その自然を避難所とし、精神的な支えとしながら独自の文化を育んだマルーンの人々の歴史が不可分に結びついている点にあります。自然遺産と文化遺産が一体となった「生物文化多様性」の顕著な例です。

遺産の概要

地理と気候

ジャマイカ東部に位置し、年間を通じて降水量が多い熱帯雨林気候です。標高差が大きいため、低地の熱帯林から山頂の雲霧林まで、多様な植生が見られます。

主要な動植物

島国であるジャマイカの地理的条件から、この山地には多くの固有種が生息しています。

動物 植物
ジャイアント・スワローテイル 固有種のシダ植物
ジャマイカフチア 固有種のラン
ジャマイカボア 固有種のブロメリア

文化と保全

この地域は、アフリカから連れてこられた奴隷たちがプランテーションから逃れ、自由を求めて築いたコミュニティ「マルーン」の拠点でした。彼らの伝統的な知識、薬草利用、言語、儀式などは、山地の自然環境と深く結びついており、今もその子孫によって受け継がれています。遺産の保護は、自然環境の保全とマルーン文化の継承を両立させる形で進められています。

ブルーマウンテン山脈とジョン・クロウ山地の基本情報

                         
国名 ジャマイカ
世界遺産の名称 ブルーマウンテン山脈とジョン・クロウ山地
遺産の種類 複合遺産
登録年 2015
拡張・範囲変更
危機遺産
危機遺産登録期間
登録基準 (ⅲ)(ⅵ)(ⅹ)
備考
範囲(ヘクタール)26251.6
地図

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