WORLD HERITAGE
ベラトとジロカストラの歴史地区
アルバニアのベラトとジロカストラは、城塞、教会、モスク、バザール、斜面住宅が中世からオスマン期の多様な都市生活を伝える連続遺産です。共存を美談にせず、住宅の維持と違法建築・観光化への対応を解説します。

ESSENTIAL FACTS
基本情報と登録基準
- 登録年
- 2005年
- 登録基準
- (3)・(4)
- 種類
- 文化遺産
- 国・地域
- アルバニア
WHY IT MATTERS
この世界遺産について
基本情報と遺産の意義
ベラトとジロカストラの歴史地区は、アルバニアの二つの城塞都市からなる文化遺産です。ジロカストラが2005年に登録され、2008年にベラトを加えて拡張されました。登録基準は(iii)(iv)、登録面積は58.9ヘクタール、緩衝地帯は136.2ヘクタールです。古代・中世の基盤にオスマン期の都市、宗教施設、住宅が重なっています。
ベラトの商人・職人の町
ベラトにはカラと呼ばれる城塞と、ビザンツ系の教会、オスマン期のモスクが残ります。商人や職人の住宅は斜面に段状に並び、横方向に広がる形や採光への配慮が特徴です。UNESCOは特に18世紀末から19世紀にかけての住宅群を説明しています。宗教建築の多様性と、交易・工芸に支えられた居住空間が同じ町に残っています。
ジロカストラの塔状家屋
ジロカストラはドリノス川流域を見下ろす13世紀の城塞を中心に発展しました。バザールや宗教施設に加え、クレと呼ばれる塔状の住宅が特徴です。17世紀に発展したこの住宅形式は、19世紀初めには装飾豊かな例を生みました。UNESCOは有力な地主層の生活と中央権力との関係を示す建築として位置付けています。
二都市の違いと登録基準
基準(iii)は、バルカンの都市社会と生活様式の多様性を示す証言である点です。ジロカストラの地主層の都市と、比較的自立した商工業都市ベラトは、異なる社会のあり方を伝えます。基準(iv)は、中世以来の文化との連続の中で発展した、オスマン期の記念建築と民家の優れた例である点です。二都市は同じ景観の繰り返しではなく、異なる住宅・都市の型を補い合っています。
住宅の保存と伝統技能の継承
歴史地区には住宅としての利用が続く一方、UNESCOは無許可の建築などによる変化を保存上の問題に挙げています。家屋を残すには外観だけでなく、材料や構法を理解する人材も必要です。文化遺産団体CHwBの事業記録によると、2007年にジロカストラで最初の地域修復キャンプが開かれました。西バルカンの若い専門家らが、講義と実作業を組み合わせて伝統材料や修復技法を学ぶ取り組みです。
建物と人の関係を伝える学び
CHwBの修復キャンプは、技術教育に加え、異なる地域の参加者が互いの文化遺産への理解を深めることを目的としています。歴史的な住宅を保存する活動は、完成した建物を見るだけでなく、調査、記録、材料の扱い、修理を通じて暮らしの空間を引き継ぐ過程でもあります。この事業の目的と、都市全体の保存課題が解消したかどうかは別です。
世界遺産検定で押さえるポイント
アルバニア、2005年ジロカストラ登録、2008年ベラト追加、登録基準(iii)(iv)です。ベラトは城塞、教会とモスク、商人・職人の住宅、ジロカストラは13世紀の城塞とクレと呼ばれる塔状家屋が主な要点です。二都市の住宅形式と社会的背景の違いが遺産の価値を伝えます。
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世界遺産検定で押さえるポイント
- アルバニア、2005年ジロカストラ登録、2008年ベラト追加、登録基準(iii)(iv)です。
- ベラトは城塞、教会とモスク、商人・職人の住宅、ジロカストラは13世紀の城塞とクレと呼ばれる塔状家屋が主な要点です。
- 二都市の住宅形式と社会的背景の違いが遺産の価値を伝えます。
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